人物デッサン

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人物デッサン

デッサンのモチーフにしばしば人物が描かれます。

人物は静物のデッサンより難しいと言われています。


なぜなら、成人ならば少なくとも身長が1.5mあります。

もしあなたが静物画で花を描いたことがあるとしても、

1.5mもの花を描いたことはまずないでしょう。

人物となるとそれだけでモチーフが大きくなったことになり、

それだけでも難しくなったことがわかります。


それに私たち人間は有機物であって、

建築物のような決まった規格によって人工的に作られる無機物とは違います。

よくデッサンでは「対象物を面でとらえる」と言いますが、

この有機物である人間を面でとらえる作業こそ困難といえます。


なぜなら人物はまったくといっていいほど直線部分はありません。

だからといって実際に人物に面が見えるわけではありません。

それを面でとらえるとなると、よほどの訓練が必要になるのです。


連続した面を明るい部分から暗い部分へと濃さを増してゆけば、

自然に暗い部分が影として表現され、自然に奥行きを持った空間表現ができます。

つまり、人物を面でとらえて描くということは人物の量感も表現できるということなのです。


しかし、人間は石膏像と違い、全身真っ白というわけにはいきません。

肌の色ひとつとっても1人1人違います。

それどころか、1人の人間でも場所によって皮膚の色が違っている場合もあります。


服を着ている場合は服の色も淡い色だったり、濃い色だったりで影が見づらい場合があります。

このように色があるとそれに惑わされて明暗が分かりづらくなるのです。

この明暗を正確にとらえられるまで何度も訓練が必要となります。


その他に人物と静物の違いは「動き」にあります。

静物は誰かが手を加えなければ動くことはありませんが、人間は自ら動きます。

生物の持つ自然な動きが人物デッサンにも表現されていなければなりません。


その訓練となるのが「クロッキー」です。

クロッキーは数分間で人物モデルの一瞬の動きを正確に描くための訓練です。

何度も繰り返し行うことで短時間で正確に人物の動きがとらえられるようになります。


このように、人物の持つ動きを正確にとらえ、明暗が正確に見極められるようになれば、

重量感のある今にも動き出しそうな人物デッサンができるようになるでしょう。

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