木炭
デッサンの画材で最もポピュラーなのは「木炭」です。
木炭の材料になる木材は、絵を描くのに適した細く長い木の枝が選ばれます。
それを燃焼して炭化させたものを20cmほどの長さにして売られています。
太さは太いものでも直径1cm強です。
木炭に選ばれる木はヤナギ、ミズキ、クワなどがあります。
木材の種類によって堅さ、太さ、濃さの差があり、
描き味にも差が出るため用途に応じて数種類の木炭を使用しますが、
適度な太さ、描きやすさから木炭デッサンではヤナギが多く使われています。
木炭デッサンは木炭紙という紙に描きます。
これは木炭デッサン専用に作られた紙で、木炭の粉末が定着しやすいように、
肉眼でも良く分かるほどの凸凹が表面にあります。
これをカルトンという画板にクリップなどでとめて、イーゼルに立てかけて描きます。
木炭には木材の芯がそのまま残っているものがあります。
使用する前にこの芯を針金の先にブラシが着いたもので取り除いておく必要があります。
それを芯抜きといいます。
木炭デッサンは線よりは面を意識して描く場合に適した画材です。
こういうと難しく聞こえるかもしれませんが、木炭の形態や材質を思い出してみてください。
木炭は鉛筆のように鋭い線は描けません。
しかし、木炭を寝かせて紙との接地面積を多くすれば面を塗りつぶすのは容易なのです。
木炭デッサンでは炭で描くことをたびたび炭を「のせる」と表現しますが、
木炭ではこの特性を生かして、炭を濃くのせたり薄くのせたりすることによって、
明るい部分と暗い部分を表現します。
このように、木炭デッサンは対象物(モチーフ)の明暗を表現する力を訓練するのに、
最適な方法なのです。
木炭デッサンのモチーフに白い石膏像が選ばれるのは明暗が分かりやすいからです。
しかし木炭は紙に定着しにくいため、
木炭を定着させるために手で押さえたり、布で押さえたりして描き進めます。
木炭を取り除きたい場合は油分の少ない食パンを使います。
あまり食パンを使いすぎると画面が油分で茶色くなってしまうので乱用は避けます。
その他練りゴムを使うこともありますが紙が傷むので基本的にはあまり使用しません。
描き終えたら、最後に木炭が落ちないように、
フィキサチフ(スプレー状の定着液)を画面に振って木炭を定着させます。
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